開催日 |
遺跡名 |
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DL |
平成29 年2月18 日(土)
10 時~ 11 時
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松山城三之丸跡19次調査 |
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所 在 地 : 松山市堀之内
調査期間: 平成28 年11 月1 日~平成29 年2 月28 日
調査主体: 公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団 埋蔵文化財センター |
1.はじめに |
国史跡「松山城跡」は、独立丘陵である勝山を中心に構成された近世の城郭です。三之丸跡は、松山城の郭の一つで、現在の堀之内に位置しています。(写真1)
松山市では、城山公園堀之内地区の整備を進めており、江戸時代の土地区画の確認や遺構の保護を目的に、過去の調査や古絵図などを参考に確認調査を実施しています。今回の調査では馬場土手や三之丸御殿東端付近で溝を確認し、江戸時代における松山城三之丸の様子を探る手掛かりを発見しました。
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2.調査の概要 |
■1区の調査
- 馬場土手:土手は二つ見つかり、黄色粘土質の土を積んで造られていました。(写真2・3)
・土手1 -検出長6.0 m、幅1.3 m、高さ17 ~ 40㎝
・土手2 -検出長4.7 m、幅1.0 m、高さ14 ~ 44㎝
- 灰色土: 炭に混じり、陶磁器や瓦が50 箱(20ℓ箱)程出土しました。これらの遺物は御殿で使われていた可能性が高く、御殿焼失後に地形の低い当地に埋められたものと考えられます。
- 出土品:食膳具(碗・皿・猪口)、調理具(擂鉢)などが多くあり、土人形、土製鳩笛、貨幣(「寛永通宝」)、キセル、カンザシ、土師器(小皿・焼塩壺)なども出土しました。碗・皿などの陶磁器には、砥部焼や肥前(佐賀県・長崎県)地方の焼物などがあります。
■ 2区の調査
- 石組溝:検出した規模は長さ10 m、幅0.6 ~ 0.7 m、深さ0.5 ~ 0.6 mで、石を1段並べた状態で発見され、地形の高い北側では石が抜き取られていました。石組は西側の石に比べて東側の石が大きく、石の裏には栗石があることから、石はもともと2 段または3 段積まれていた可能性もあります。溝は地形の高い北側にさらに延びることが予測され、調査地は三之丸と西之丸の境付近であることが分かりました。(写真4)
- 近代遺構:日本陸軍の石垣、建物跡(礫石)、溝などの施設跡を発見しました。丸みをもつ江戸時代の石組と比べ、近代の石垣の石は角ばり(礫石)、石垣の目地や溝の底にはコンクリートが使われています。
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写真 |
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調査地の位置
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