試掘調査では柱穴4基を検出し、遺物は弥生土器と考えられる土器片が出土しました。これらの事により、弥生時代以降の集落の範囲や性格の確認を主目的として調査を行いました。
調査地は緩斜面上に立地しているため、標高の高い部分は切土が行われ削平されていまいた。また以前の建物による撹乱も受けていたが、調査の結果、柱穴5基を検出しました。検出された柱穴は、調査対象部分の南端に位置します。平面形は円形を呈し、規模は径42~48cm、深さ22~38cmを測ります。埋土は主に黒褐色です。柱穴からの出土遺物は根詰石用に使用された瓦(布目)、また埋土中より弥生土器の小片が出土しました。柱穴の時期については現在整理中で決定できないが、古代以降と考えられます。
〔まとめ〕 調査の結果、遺構が検出されたのは調査対象部分の南端であり、これより北部では検出されなかったため遺構が存在するのは南部方向と考えられます。また、今回検出された5基の柱穴は平面形態、規模、埋土、遺物の出土状況が似ており、掘立柱建物跡を構成するもので、柱穴には切り合いが見られるため、建物の建て替えが想定されるものです。また柱穴埋土から出土した弥生土器片から、調査地が削平を受ける以前は、弥生時代の包含層もしくは遺構等の存在が考えられます。
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