今回の調査では、弥生時代の溝と土坑を検出しました。溝は幅0.76m、深さ32㎝の溝で、溝内には弥生土器の甕が投棄された状態で出土しました。また、土坑は円形状をなす土坑で、土坑内からは土器片が散在して出土しました。壁体の一部が袋状をなすことから本来、貯蔵穴として機能していたものと推測されます。ただし、遺物の出土状況より、最終的には割れた土器などの廃棄場として利用されたものと考えられます。なお、両者は出土遺物の特徴より、弥生時代中期後半の遺構と考えられます。古墳時代の遺構は未検出であるが、土師器や須恵器の破片が数点出土しました。
〔まとめ〕 今回の調査では、弥生時代の溝や土坑のほか、古墳時代の遺物を確認しました。調査地東方に展開する弥生時代や古墳時代の集落域が、国道11号線以西にも広がっていることが判明しました。さらに、古代や中世の遺構・遺物の検出は、該期間の集落が調査地近隣に存在することを物語る貴重な資料といえます。
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