本調査では、弥生時代と近世の遺構と、弥生時代から近世までの遺物を確認しました。検出した遺構は溝2条、土坑2基、柱穴6基です。
弥生時代の遺構は土坑(SK)2基を検出しました。SK1・2の平面形態は楕円形で、時期は弥生時代後期後半から末に時期比定されます。SK1の規模は長径0.60m、短径0.55m、深さ19㎝、SK2は長径1.25m、短径0.54m以上、深さ16㎝を測ります。また、近世の遺構は溝2条を検出しました。SD1は東西方向の溝で、規模は幅30㎝、深さ7㎝を測ります。溝からは近世、江戸時代に時期比定される土師器片や瓦が出土しました。
〔まとめ〕 今回の調査では、弥生時代と近世の遺構と弥生時代から近世までの遺物を確認しました。本調査における土坑の検出は、調査地周辺に展開する弥生後期集落の広がりを知るうえで、貴重な資料といえます。近世の遺構は溝2条を検出した。本調査検出の2本の溝は、農耕に伴なう鋤跡あるいは畝溝の可能性があり、調査地周辺には江戸時代において広範囲に水田や畑が営まれていたものと推測されます。
|