今回は、調査対象範囲の都合により調査区をA区・B 区とし、調査地内2ヶ所での調査となりました。
A区の調査では、弥生時代の竪穴建物1棟、柱穴10基、性格不明遺構1基などの集落関連遺構が見つかりました。弥生時代中期以降の隅丸方形の竪穴建物(SB1)では、埋土中に焼土、炭化材が部分的にみられ、遺物は弥生土器片が出土しています。
B区は、調査地の南部に位置します。調査では、地山上面にて遺構を検出しました。遺構は大規模な溝1条、柵列1条、柱穴7基、性格不明遺構2基です。遺物は柵列、柱穴と大規模な溝より主に弥生土器片が多量に出土しました。
〔まとめ〕 今回の調査により土居窪遺跡周辺には弥生時代~古代にかけての集落関連遺構が存在する事が明らかとなりました。特に今回は弥生時代中期から後期の集落関連施設の検出とB区における大溝の検出および多量遺物の出土したことは、今まで周辺地域では調査事例の少ないことからも、貴重な調査事例となり、土居窪周辺における弥生時代の集落様相を解明する資料を得ることができたことは、大きな成果といえます。
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