本調査で検出した遺構は、古墳1基、掘立柱建物1棟、溝5条、土坑6基、柱穴5基です。
弥生時代では、溝2条と土坑4基を検出しました。このうち、溝2と土坑1・2からは弥生時代中期後半に時期比定される甕や壺の破片が出土しました。
古墳時代は、古墳1基(若草7号墳)を検出しました。北東―南西方向に主軸方位をとる小型の横穴式石室であります。遺存状態は悪く、積石は1~3段が残存するのみでありました。南西方向に開口し、石室の規模は幅0.68~0.73m、全長1.89mです。石室床面には径2.0~6.5㎝大の玉砂利が敷き詰められており、その上面にて完形の須恵器坏蓋と短頸壺が出土しました。出土品の特徴より本古墳の築造時期は、古墳時代後期、6世紀前半と考えられます。
〔まとめ〕今回の調査では弥生時代や古墳時代、中近世の遺構や遺物が出土しました。今後は、若草町一帯における集落変遷の解明と、古墳時代における墓の構造や分布範囲の究明が待たれます。
|