施設概要
坊っちゃんスタジアムは本塁を北側として野球場を配置しております。これは野手がフライを取るときに、太陽光線が妨げとならないように、設計されています。
導線計画としましては、観客はすべて外部階段よりデッキ上に誘導し、2階から各スタンドへ入るように、また、選手・関係者等は、1階出入り口の利用とし、基本的には両者を分離し混乱を避けるようにしております。
身体障害者の方は、1階エレベーター若しくは、球場西側外部スロープより入場できます。
グラウンドとしては、プロ野球公式戦可能な、両翼99.1m・中堅122mの広さを持ち3万人収容可能なスタンド及び、ナイター設備を備えた『野球王国愛媛』にふさわしい球場です。内野を黒土混合土、外野を天然芝とし、プロ野球・高校野球を問わず選手にやさしく、プレーのしやすさを重視した仕様となっています。
バリアフリー社会を見据えた施設計画
バリアフリー社会への対応としては、他の国内球場では例の少ない、車椅子席の積極的な確保(内外野136席)を実現しています。また、内野から外野まで、同じレベルで1周できるようになっています。
見やすさを追求したスタンド形状
スタンド形状は、より多くの観客席をピッチャーマウンドに向けるという条件を基に、『おむすび形平面』を採用しています。
同時に断面的にもメインスタンドをツースロープとしフィールド面に近づけることにより、各座席からの良好な可視範囲を確保し、プレイヤーと観客との一体感を高め、臨場感のあるプレーを楽しむことができるよう配慮しています。
ゆるやかな波を描く上段スタンドと大屋根のスカイライン
逆円錐形の上段スタンドとブーメラン状の大屋根は、下段スタンドから鉄骨の柱で持ち上げ、これにより全体に浮遊感をもたせ、『波のうねり』・『鳥の翼』など、自然の形態を自由に連想することができるよう意図しています。
色彩計画
色彩計画の特徴は、スタンドの基本カラーに『青色』を採用したことです。
従来の野球場においては、『緑色』が主な色使いでしたが、近年の色彩計画においては物の見やすさ等の物理的側面ばかりではなく、色のあたえる心理的効果も一考されつつあります。
その中で、特にスポーツ競技施設においては、『赤色』と相反する性質を持つ『青色』が、選手の神経集中とアクティブでスピーディーな活動を促すとして注目されており、同時にこのような色使いは、選手と観客にとってもボールが見やすく、臨場感あふれた印象をあたえると言われております。