2023年8月10日 更新
松山市民会館アラカルトをご覧いただき、ありがとうございます。
これまでのアラカルトでは、客席から見える能舞台の仕掛けについてお話ししてきましたが、今回は隠れた仕掛けを紹介します。
能舞台を利用された主催者の方から、ごくまれに能舞台の天井に取り付けられた、ある物について質問を受けることがあります。
ある物とは、舞台から高さ約4.2mもある天井に取り付けられた滑車(かっしゃ)です。
なぜ滑車が能舞台の天井にとりつけられているかというと、実は「道成寺(どうじょうじ)」という演目で、人が隠れるぐらいの大きな釣鐘(つりがね)を裏方さんが紐で吊るして上げ下げするためです。
滑車は天井に取りつけられているので見えない位置にありますが、演目によっては、重要な役割を果たしているのです。
このように能舞台には、まだまだ知られていない仕掛けがあるのですね。
これからも、色々な角度から能や狂言を見れば、今まで気がつかなかった新たな発見があるかもしれません。
それでは、次回が能舞台に関する最後のお話になります。
また、次回をお楽しみに!