2023年10月23日 更新
松山市民会館アラカルトをご覧いただき、ありがとうございます。
市民会館の正面玄関を入ると、壁面に能の場面を描いた陶板が目に入ってきます。
陶板(とうばん)とは、窯の中で焼いた焼き物で、昭和40(1965)年の開館以来、
色あせることなく鮮やかな色彩を保っています。
この陶板には、演者の姿を削り出して浮かび上がらせており、大きいもので
125×84cm、小さいものでも41×84cmあります。
『愛媛能楽史』や『砥部町史』※によると、これらの作品は砥部町八倉地区にあった
砥部タイル株式会社(玉水窯)で焼かれたものだそうです。
この会社を経営していたのは、前回のアラカルトで紹介した鈴木英一氏で、
松山の能楽史上における功労者の一人です。
昭和レトロブームに乗って、現在の砥部焼のイメージとは少し違う
カラフルな焼き物を是非一度ご覧ください。
また、次回をお楽しみに!
※参考文献:『愛媛能楽史』愛媛能楽協会 平成元年発行
『砥部町史』砥部町役場 昭和53年発行