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須恵器甕形土器の頸部下に『久米評』の文字が横方向に刻まれたもので、平成元年松山市道久米92号線拡幅工事にともない実施した緊急調査の際に出土しました。
評とは大化の改新(645)ころから大宝律令の施行(701)まで用いられた行政単位で、現在でいう市町村にあたります。この須恵器に刻まれている「久米評」というのは、現在の久米地域を中心に、松山平野の中央に所在した評であると考えられています。
6×7cm前後の小さな破片ですが、郡衙の前身である評衙の存在を示す貴重な資料で、全国的にも珍しいものです。