小野地区の遺跡紹介18 『下苅屋(しもかりや)遺跡1~4次調査』

投稿者: hajiki in 発掘調査・試掘調査 | Tagged | コメントを残す
自然流路

 

自然流路の北岸 (東より) 2次調査

自然流路の北岸 (東より) 2次調査

2次・3次調査では、古市遺跡から西流する自然流路の南岸や北岸が見つかりました。当地での流路幅は50m~80mにもおよぶもので、当時の河川交通にとって重要な川になっていて、川沿いにある弥生時代前期~奈良時代の集落とは、河川交通と密接な関わりをもっていたことと考えられます。

流路南岸と集落址 (北東より) 3次調査

集落

1次・3次・4次調査では、自然流路の南岸付近で古墳時代後期の集落が見つかりました。集落は竪穴建物や掘立柱建物で構成され、たくさんの焼けひずんだ須恵器の不良品とそれに混じり 窯壁片が出土しました。この集落は、窯業生産地から消費地へ水運を利用しての須恵器を運ぶ際の中継地や須恵器の選別地であったと考えられます。

竪穴建物から出土した須恵器の把手付碗  (高さ13.4cm)  3次調査
土坑から出土した焼けひずんだ須恵器
(口径15.5cm) 3次調査
竪穴建物から出土した使い込まれた砥石
(長さ12.5cm) 1次調査

コメントは閉じています。