この写真は、7月5日(土)に松山市内で試掘調査(しくつ ちょうさ)を行った時の様子です。
遺跡の発掘調査は、ほとんどの場合は事前に試掘調査を行って、遺跡があることがわかったのちに実施します。この試掘調査とは、読んで字のごとく、“ためしに土地を掘って、古代人が生活した痕跡などがないかどうか調べること”です。
まず、重機(ショベルカー)を使って地面を掘っていきます。この時に大事なのが、地面と水平に少しずつ丁寧に掘っていくことです。つまり地層を1枚1枚はがしていく感じでしょうか。担当者は、地層の色や質(粘土質・砂質など)の違いなどを慎重にチェックし、その途中で土器などが出てこないか、また住まいの跡などが見つからないか、目を光らせています。
今回の試掘調査では、深さ1mくらい掘ったところで、なんと今から450年ぐらい前の土器が出てきました。土器が出てくるということは、その地層に古代人が生活していた痕跡が残っている可能性があるということです。
試掘調査は、一時的な調査ですので、写真や図面などの作業が終了すれば、すぐに埋め戻さなければなりません。そして埋蔵文化財センターにカメラや図面などを持ち帰り、松山市教育委員会へ報告するための報告書作りにとりかかります。また、当日記録した遺跡の情報をパソコンでデータ入力し、近所で同様の試掘調査が行われる時の参考資料にします。
このように試掘調査とは、松山市内のあちこちで地面を掘り、古代人が生活した痕跡の情報を集める作業なのです。