金属製品を保存処理する工程のなかで、前編でお話しした「クリーニング作業」は、保存処理作業全工程中の7~8割の時間を費やします。
このクリーニング作業が終わると、次は専用の薬品や装置を使って銭貨の「安定化処理」、「樹脂含浸」の処置を行います。
銭貨(銅製品)は、錆を安定化させるため「安定化処理」をおこないます。 |
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溶液に銭貨を入れ、減圧装置(デシケーター)を使って減圧下(真空に近い状態)で漬け込みます。 |
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漬け込みが終わり自然乾燥します。 |
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乾燥が終わって樹脂含浸作業に移ります。 |
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樹脂含浸後は自然乾燥を行い、重量計測を一週間行います。 |
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重量計測は小数点以下3ケタが測れる精密な秤(はかり)を使います。 |
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一週間、自然乾燥させた後、乾燥機に入れて強制乾燥させます。また一週間毎日重量計測を行います。※強制乾燥することで、小さな穴、クラックの奥に染み込んだ溶剤を乾燥させます。 |
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樹脂含浸、重量計測作業が終了すると保存処理後の写真撮りの準備(仕上げ作業)をします。この作業も顕微鏡を使って、銭貨の表面の仕上がり具合や綿埃の除去を行います。 |
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保存処理後の写真撮りを行います。
最終写真撮りは当センターのスタジオにお願いしました。
写真は銭貨1枚ずつの表裏581枚。カット数では約1170カットになりました。
保存処理後の写真撮りが終了し、保存処理記録(報告書)を仕上げることで保存処理は終了となります。
581枚を並べて撮影してみました。(撮影場所:埋蔵文化財センター内スタジオ 撮影者:大西)