前回お伝えした接合作業に続いて、今回は、遺跡から出土した土器などを図面にし、記録する仕事についてご紹介します。
この作業のことを「実測(じっそく)」といいます。
土器についての情報を分かりやすく、客観的に伝えるため、図面にするのです。
実測では、真正面から見た形を図面におこし、左半分に立面(正面から見た状況)を、右半分に断面と内面の状況を書きます。
図面にする実物の土器 | 実測した図面 |
具体的には、全体の形を描き、断面の厚みを計測し、土器の表面(外面と内面)に残る文様、作り方、使われ方などの痕跡を見つけ、図面に書き加えていきます。
土器をぺたぺた触って、昔の人がどんなふうに作ったのかを想像しながら。。。
土器を実測している様子(その1) | 土器を実測している様子(その2) |
気が遠くなるような作業です・・・
日本ではおよそ90年前からこの方法で、手作業で実測をしています。
最近では3次元のレーザー計測機が使われたりもするそうですが、埋文センターでは、昔ながらの手法でがんばっています。