松末栄松遺跡
調査地は、松山市埋蔵文化財包蔵地『№202 松末館跡』内に所在します。発掘調査は令和2年5月7日より着手し、同年8月18日に終了しました。調査対象地内西側を1区、東側を2区と設定して調査しました。
調査では、土坑7基、井戸2基、溝17条、性格不明遺構3基、小穴(柱穴)283口を検出しました。遺物は、包含層や遺構内から土師器、土師質土器、陶磁器、瓦、石製品、金属製品が出土しました。検出した遺構群は、遺構内より出土した陶磁器の形態より、おおむね15世紀後半から16世紀代にかけての時期と考えられます。
今回の調査では、中世集落の一部が検出されたと考えられますが、東西や南北に延びる溝、井戸、小穴群、性格不明遺構、それらから出土した青磁の稜花皿や天目茶碗、備前焼の甕、擂鉢などの検出や出土は、本調査地周辺における武士階級の存在を彷彿とさせるものと考えられます。
調査で出土した遺物の一部は、考古館ロビーの発掘情報展のコーナーにて11月3日(火)~11月29日(日)まで展示しています。