松山市埋蔵文化財センターは、令和2年2月3日より松山市東垣生町内にて(仮称)松山市新垣生学校給食共同調理場整備事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査を実施しています。
調査地周辺では、平成26年度から28年度にかけて松山外環状道路(空港線)整備に伴う発掘調査が行われており、弥生時代から中世、室町時代までの集落遺構や生産遺構のほかに土器や石器、鉄製品等が発見されています。とりわけ、生産遺構では水田址が検出され、数千個に及ぶ人間や牛の足跡が見つかり、鎌倉時代後半から室町時代に存在した水田址であることが調査の結果、判明しました。また、集落遺構では弥生時代や古墳時代の竪穴建物をはじめ、平安時代から鎌倉時代の建物址や溝のほかに、井戸址や土壙墓(どこうぼ)などが発見されています。
2月21日現在、本調査では水田址が検出されており、畦畔や足跡を確認しました。調査対象面積は約2,000平方メートルで、調査の終了は令和2年7月末頃を予定しています。今後の予定は、検出した遺構の掘り下げ後、測量及び写真撮影などの記録保存を行います。なお、7月後半には一般市民の方を対象とした現地説明会を開催する予定です。これからも、調査の進捗状況を随時、報告してまいります。