筋違S遺跡の調査について
調査地は、伊予鉄道福音寺駅より北方へ約110mの地点に位置し、標高29.2mに立地します。周辺の遺跡には、福音寺遺跡竹ノ下地区、福音小学校構内遺跡、筋違遺跡、乃万の裏遺跡、北久米常堰遺跡、北久米浄蓮寺遺跡など弥生時代から中世にかけての集落遺跡が多数分布している地域です。調査は、平成30年7月2日から同年7月30日までの一ヶ月間、調査面積約149㎡を行いました。調査の結果、掘立柱建物址2棟(掘立1・2)、土坑3基、柱穴41基を検出しました。
掘立1は、全容は不明ですが、東西3間、南北2間までを検出しました。おそらく南北方向も3間と考えられ、3間×3間の正方形に近い柱穴配置をしていると考えられます。
掘立2は、東西3間、南北1間の長方形の柱穴配置をしていました。
この2棟の掘立柱建物址には、同じ場所で重なって検出されたことにより、建物の利用期間には時期差があるものと考えられます。建物の時期や性格などについては現在整理作業を行っています。