当埋蔵文化財センターでは、遺跡の発掘調査で出土した土器・石器・金属製品・木製品などや、時には人骨などを測量して図面に記録する作業を日々行っています。
今回は、この中でも出土量の豊富な土器の測量作業で使う道具の「真弧」についてご紹介します。 私達は、この測量作業を実測と呼んでおり、土器を実寸(等倍)で方眼紙に描いて、そのトレースしたものを調査報告書に掲載したり、出土物の記録として保存をしています。
土器の形状や内外面に描かれた模様のほかに土器製作時の調整した痕跡なども忠実に図面に記録します。土器の形を描く時に用いる真弧は、10分の1ミリ単位のとても薄い竹の板が何百本も並んでいて、土器の形をとても正確に写し取ることができます。
真弧を土器に当て、竹の板一本一本を土器にぴたりと接触させ、方眼紙の上に置いて形を鉛筆で写し取ります。このように真弧は、土器の実測では必要不可欠なもので、とても重宝しております。