昨年度末の3月に、埋蔵文化財センターから松山市埋蔵文化財調査報告書「宮前川流域の遺跡Ⅲ」が刊行されました。
「宮前川流域の遺跡Ⅲ」には、埋蔵文化財センターの東にある大峰ケ台丘陵を越えた地域、朝美、辻町地域で調査された以下の4遺跡についての報告書です。
- 辻遺跡5次調査
- 辻町遺跡遺跡3次調査
- 朝美辻遺跡1次調査
- 朝美辻遺跡2次調査
辻遺跡5次調査
辻遺跡5次調査では、弥生時代の集落が大峰ケ台山頂から丘陵の東まで広がることが分かりました。また、古墳時代の集落も見つかりました。近世以降では、棟端飾瓦が出土しました。
辻町遺跡3次調査
辻町遺跡3次調査では、弥生時代後期の集落が宮前川左岸まで広がることが分かりました。
古墳時代では、何らかのお祭りをしたのではないかと思われる遺構が見つかりました。また調査地の北には当時、作物などを作った地域があったのではないかと推測されました。そして中世では後の時代へ続くこの地区に営まれた集落の変遷が見て取れることが分かりました。
朝美辻遺跡1次調査
朝美辻遺跡1次調査では、6世紀前半の土器に伴って建築部材の「蹴放し」が出土して、新聞でも注目されました。また、大峰ケ台の東側で見つかっている、倉庫群の建築部材の一部ではないかとも言われています。
朝美辻遺跡2次調査
朝美辻遺跡2次調査では、大峰ケ台丘陵にあったと言われている倉庫群の一部が見つかり、丘陵の東側斜面に広がる古墳時代の倉庫群が丘陵裾部のこの調査地まで広がることが分かりました。
報告書は考古館エントランスの図書コーナーにて読むことができます。
是非ご覧下さい。
今回の報告地域の「朝美・辻町」地域は下の地図のとおりです。
●辻町地域の位置
●朝美地域の位置