寒風で身体も震える気象条件にもかかわらず、現地説明会には数多くの市民の皆様に参加していただきました。ありがとうございました。松山市祝谷の丘陵で確認された前方後円墳と、弥生時代の貯蔵穴を一目見ようと、説明会の始まる時刻には600人を超える考古ファンの熱気に現地が包まれました。
写真1は説明会の冒頭の様子。前方後円墳の後円部がよく見えるところで、調査担当者からの説明を熱心に聞く参加者。後方の白いテントの中では、①本物の縄文土器(深鉢=深鍋)や、松山から出土した弥生土器(壺)に触れてみる、②古代衣装を着るなどの“古代体験”を考古館スタッフが用意していました。
ちなみに撮影のアングルは前方後円墳の正面、すなわち前方部前面部側からで、写真の手前が前方部、奥が後円部です。墳丘の周りを取り囲むように見える周濠には内外には石積みが施されています。これは内外の土盛りが崩れないような工夫です。古墳が完成した時には高さが4~5m程度の盛土があったと推定され、墳丘の斜面は白い石で覆われいたと考えられます。平野から古墳を仰ぎ見た時、白く反射して光る巨大な後円部が当時の人々の目に映ったことでしょう…。
説明会では、調査区の周囲4か所に祝谷9号墳(前方後円墳)の見どころを紹介したプレートを設置し、さらに説明スタッフをそれぞれに配置しました。たくさんの質問や疑問が参加の皆様から寄せられました。何を隠そうこの公式ブログの記事作成担当の“magatama”も説明スタッフのひとりとして対応させていただきました。
皆様からは「すごいものを見せていただいてありがとう」「まつやま・祝谷のあらたな歴史的魅力を目の当たりにして感動しました」「前方後円墳の周濠ってどんな目的があったのですか?」「ここに前方後円墳が造られた歴史的な意味を教えてください!」「たくさんの穴は何をするためのものですか?」などなど多くのお声を掛けていただきました…
今月17日からは松山市考古館の特別展示室にて、祝谷大地ヶ田遺跡6次調査の出土品を公開する予定です。弥生時代の貯蔵穴で発見された土器や石器など、古墳時代中期の前方後円墳の周濠で発見された馬形埴輪や円筒埴輪などを見学する絶好の機会となっていますので、こちらの方もよろしくお願い申し上げます。