松山城三之丸御殿の西側には、北御門広場と南北方向道路を区画する溝(東西溝)があり、前回の調査で東端が見つかりました。この溝は、三之丸御殿西側の側溝と道路の側溝の水が東西溝に流れ込む、三之丸内最大の溝(幅1.3m)であることがわかっています。
今回の調査で見つかった溝の西端は、馬場土手横を流れる南北溝に合流していました。溝の中央部には橋脚の土台に使われた扁平な石が並んでおり、南北方向道路部分には橋が架けられていたことがわかりました。この土台は前回の調査でも見つかっており、土台の上に橋脚を置き、その上に板状の橋が架けられたことが想定できます。橋は残念ながら残っておらず、木製か石製のものかは不明です。御殿の西端から流れて来た水は南北溝に合流した後、堀之内西南隅の池まで流れ込んでいたことがわかりました。