平成4年、通称「小山(こやま)」と呼ばれる丘陵で未盗掘の古墳が発見されました。この古墳は葉佐池古墳と名付けられ、未盗掘であるだけでなく、横穴式石室に木製の棺が残ったままの状態で発見されたことから、全国ニュースで取り上げられるほど注目されました。平成5年から20年にかけて5次にわたる発掘調査が行われた結果、この古墳は長さ約41m、最大幅23mの楕円形で、5基の埋葬施設が造られていたことがわかりました。
5基の埋葬施設のうち、発掘調査が行われたのは1号石室と2号石室と呼ばれる横穴式石室です。この石室内には須恵器のほかに、木製の棺が1,400年以上を経て残っていました。特に1号石室に残っていた人骨には、ハエのサナギの殻が付着していたことから、古墳時代後期の埋葬に伴う儀式の方法などがわかりました。