松山市考古館/文化財情報館周辺の開花情報を中心に季節の風景や話題そして考古館の活動情報を提供いたします。
合金みがき~銅銭は、教材用の合金を溶かして、鋳型に流し込んで作った銅銭の表面を、研磨剤を付けた布で磨いて、ピカピカに仕上げます。体験を通して、古代人の知恵や工夫について楽しく学べます。
今回は「富本銭モデル」(写真)についてご紹介します。直径は24㎜、中央には一辺が6㎜の正方形の穴があります。今から、約1,325年前の西暦683年(天武天皇12年)に日本で鋳造されたものがモデルです。鋳造年代は「和同開珎」よりも古いと考えられています。ただし、「富本銭」には、実際に貨幣として流通したのか、まじない用に使われる厭(えん)勝(しょう)銭(せん)ではなかったのかなど、いろいろな学説があります。
表面には、縦に「富夲」の文字と、横には7つの点が亀甲形に配置された七曜星という文様があります。「夲」は「本」の異体字であると考えられています。「富本」というのは、唐代の百科事典『芸文類聚(げいもんるいじゅう)』に引用された、歴史書『東観漢記(とうかんかんき)』の「富民之本在於食貨」(民を富ませる本は食貨に在り)という故事に由来しています。
休館日を除き、松山市考古館では、合金みがき~銅銭(富本銭モデル)〈1セット100円・個数限定〉の体験キットを購入することができます。セットには、学習シート、合金みがき用のペーパーヤスリ・ペーパータオルなどが富本銭モデルとともに含まれています。夏休みの自由研究に、考古館を訪れた思い出に、いかがでしょうか。