古代体験教室紹介~その9(合金みがき~銅銭)


合金みがき~銅銭は、教材用の合金を溶かして、鋳型に流し込んで作った銅銭の表面を、研磨剤を付けた布で磨いて、ピカピカに仕上げます。体験を通して、古代人の知恵や工夫について楽しく学べます。

 

今回は「富本銭モデル」(写真)についてご紹介します。直径は24㎜、中央には一辺が6㎜の正方形の穴があります。今から、約1,325年前の西暦683年(天武天皇12年)に日本で鋳造されたものがモデルです。鋳造年代は「和同開珎」よりも古いと考えられています。ただし、「富本銭」には、実際に貨幣として流通したのか、まじない用に使われる厭(えん)勝(しょう)銭(せん)ではなかったのかなど、いろいろな学説があります。

表面には、縦に「富夲」の文字と、横には7つの点が亀甲形に配置された七曜星という文様があります。「夲」は「本」の異体字であると考えられています。「富本」というのは、唐代の百科事典『芸文類聚(げいもんるいじゅう)』に引用された、歴史書『東観漢記(とうかんかんき)』の「富民之本在於食貨」(民を富ませる本は食貨に在り)という故事に由来しています。

 

休館日を除き、松山市考古館では、合金みがき~銅銭(富本銭モデル)〈1セット100円・個数限定〉の体験キットを購入することができます。セットには、学習シート、合金みがき用のペーパーヤスリ・ペーパータオルなどが富本銭モデルとともに含まれています。夏休みの自由研究に、考古館を訪れた思い出に、いかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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