古代体験教室紹介~その7(合金みがき~ミニ銅鏡③)


合金みがき~ミニ銅鏡は、教材用の合金を溶かして、鋳型に流し込んで作ったミニ銅鏡の表面を、研磨剤を付けた布で磨いて、ピカピカに仕上げます。体験を通して、古代人の知恵や工夫について楽しく学んでいただきます。

 

ミニ銅鏡は3種あり、今回は、「三角縁神獣鏡モデル」(写真上)についてご紹介します。三角縁神獣鏡は、鏡の縁の断面が三角形状となった大型鏡です。鏡の直径は平均22㎝前後。中央にはひもを通す紐(ちゅう)があり、その周りに、神獣(神像と霊獣)を交互に配置し、浮彫式で表現しています。

 

さて、神像には神仙(不老不死で、神通力をもつ人。仙人)の西王母や東王父(写真下の左)が表現されることが多く、霊獣(神話や伝説でこの世の動物たちの長だと考えられた特別な瑞獣・良い事が起こる前兆として姿を現すとされる何らかの特異な特徴を持つ動物のこと)(写真下の右)も表現される場合が多いです。

 

三角縁神獣鏡は国内で330面ほど出土しており、古墳時代の首長は、この大型の鏡を入手することで、社会的地位の高さを地域や周辺地域に誇示し、海上交通や水上交通を通じて他地域と社会的ネットワークが形成されていたことを証明する威信財と考えていたようです。

 

休館日を除き、松山市考古館では、合金みがき~ミニ銅鏡(三角縁神獣鏡モデル)〈1セット500円・個数限定〉の体験キットを購入することができます。考古館を訪れた思い出に、いかがでしょうか。

 

(コメントは受け付けていません。)