(アクティブ・チャイルド・プログラム)
一本のロープを自分のチームの陣地内に引き寄せることで勝敗が決まる単純明快なルールの「綱引き」。この競技は腕力比べと思っている方が多いかもしれませんが、実は摩擦力の比べあい。つまり摩擦力をどう高めるかが勝利の方程式となるのです。
例えば手のひらを軽く机の上に置き、手を引いてみるとスーっと滑りますが、手のひらを机に上から押し付けるように置くと動かしづらくなります。これは下向きに押す力が大きくなった事で摩擦力が高まっているのです。
つまり、綱引きで勝利する為にはできるだけ体重が重いメンバーを揃え、摩擦力の高い滑りにくい靴を履き、片足が地面から離れると摩擦力は弱まりますので両足の裏は必ず地面に着けた状態で、ズリズリと足を動かしながらロープを引いていく事が勝利への近道。また、上半身はロープは力強く握り、両手を内側に絞り込み、脇でロープを挟み込むと摩擦力が更にアップします。
他にも引く力が分散しないように全員が等間隔で、先頭から最後尾までロープがまっすぐになるように並んだり、ロープが身長差で凸凹(でこぼこ)しないように、先頭から背の高い順に並ぶなどのポイントもあります。
ちなみに1900年パリオリンピック(第2回大会)から1920年アントワープオリンピック(第7回大会)までは「綱引き」がれっきとした陸上競技のフィールド種目として行われており、しかもかなりの人気競技だったそうですよ。