「神は細部に宿る」

by okada
8月 13 2012 年

(松山市総合コミュニティセンター体育館トレーニングルーム)

 

近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエは「神は細部に宿る」という言葉を残しました。作り手や建築家の思いは建物の細部にこそ表れるという意味で、建築の世界では今でも使われている言葉です。皆さんの生活の中でも、蛇口がまわりにくかったり、窓が開かなかったりするのは困りものですよね。

上の写真はコミセントレーニングルームにあるバーベル。一般の方にはただの鉄の棒にしか見えないと思いますが、実は細部にまで工夫を凝らした作りになっているのです。バーベルには大きく分けると2種類あります。バーの両端のプレートを取り付ける部分(スリープと言います)が直径28mmと50mmの2つ。28mmタイプは一般的なバーベルで、オリンピックなどで使用されているのが50mm。コミセンも50mmのバーベルをお客様に使用していただいています。

50mmタイプの最大の特徴はスリープ部分が回転するよう作られている点。この回転する加工を施す事によってスリープ部分に付けた重いプレートが「空回り」し、物体が動く際に生じる「慣性の法則」を減らし関節への負担を軽減させてくれるのです。つまり28mmタイプでのトレーニングより関節などの怪我のリスクを下げてくれるのです。

その他にもグリップ部分の滑り止め加工にも工夫があり、バーベルに刻みを入れただけではなく、削り残された部分の先端がR処理加工(丸く)されており、適度なグリップ感を保ったまま、手の平に食い込んで痛いという事がないのです。仕事や身の周りの事にも細部にまで気を配る事でスムーズに物事が進んだり、居心地がいい生活がおくれるのかもしれませんね。

 

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