「ドーピング」

by okada
11月 15 2015 年

ロシア陸上界のドーピング問題を調査していたWADA(世界アンチドーピング機構)は、組織的なドーピングがあったとする報告書を発表しました。これにより来年に開催されるリオデジャネイロ五輪でロシア陸上選手が出場停止となる可能性も出てきました。

1988年ソウル五輪男子100mでのベン・ジョンソンのドーピング問題以来、新聞やニュースなどでもよく目にするようなった「アナボリックステロイド」という言葉。これは「筋肉増強剤」や「蛋白同化ホルモン」などと呼ばれており、使用することで筋肉の中でタンパク質の合成が高まり、筋肉を作る為の生化学的な過程が促進されると言われています。

また多量のアナボリックステロイド投与は中枢神経に大きな作用があり、身体に対する痛みに対して鈍感になったり、興奮しやすく非常に攻撃的になり、恐怖心がなくなるという心理的変化をもたらします。つまりただでさえ過酷なトレーニングを積み重ねてきたトップアスリート達が、アナボリックステロイドを投与することで、苦しさを感じずに今まで以上のハードなトレーニングが可能となり、それが私達の想像を絶するパフォーマンスや記録に結びつくのです。

しかしながらドーピングは肝機能障害や心臓肥大を引き起こし、これらが原因で若くして死去してしまうアスリートの例も多数報告されているのも現状。命を守るという観点からはもちろん、フェアプレー精神に則って繰り広げられるスポーツで私達を感動さてほしいと思います。

 

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