(松山中央公園坊っちゃんスタジアムのマウンドクレイ)
試合が進んでいくにつれてピッチャーマウンドはスパイクで削れ変形して状態は悪くなっていきます。試合の中盤や終盤になるとピッチャーが投げた変化球が抜けてしまう、ストレートの球速が落ちてしまう、コントロールが悪くなってしまうなどが出来るだけないよう、坊っちゃんスタジアムではピッチャーマウンドの土の中に「マウンドクレイ」という粘土が埋め込んであります。
ピッチャーマウンドはホームベースを基準としてそこから254mmの高さで、またホーム方向への踏み出しの勾配も細かく規定されており、精密な仕上がりが求められます。この「マウンドクレイ」の微調整を行い、常に良好なグラウンドコンディションを作ることも当財団のグラウンドキーパー職員の大事な業務の一つなのです。
全国高校野球選手権愛媛大会は1日3試合、全日本女子硬式野球選手権大会では1日4試合行われることもあった坊っちゃんスタジアム。試合前のライン引きや散水作業はもちろん、試合終了後には「明日も選手たちが最高のプレーを披露できますように」と思いを込め、照りつける夏の強い西日の中、毎日数時間かけマウンドクレイの整備や芝生の刈り込み作業などを行っているのです。
「日々地道な作業の繰り返しですが、自分達が丁寧に整備したグラウンドで白熱した試合が繰り広げられのが1番の楽しみ」と話してくれる当財団のグラウンドキーパー職員。試合中の土や芝生のわずかな乱れが致命的なミスや怪我につながり、勝敗の行方や選手の人生をも左右しかねません。最高のプレーを支えるやりがいと、強い責任感がそこにはあるのです。