伊台惣部遺跡

えひめけんまつやまししもいだいちょう
愛媛県松山市下伊台町

 1988年9月から11月にかけて、現在の松山市立旭中学校の開校に先立って調査しました。

 伊台惣部遺跡は、石手川の支流、伊台川右岸の標高140~150mの河岸段丘上にあり、旧石器時代~弥生時代の遺物と、古墳時代前半期の集落跡が発見されています。

 旧石器時代の資料には、ナイフ形石器や、石器作りで生じる石片(剥片)5点が出土しています。

 ナイフ形石器はサヌカイト製で、先端部と基部には、一定方向から刃潰し加工をした跡が観察されることから、後期旧石器時代(約二万年前)の槍先に用いられた石器と考えられます。一方、剥片は赤色頁岩製で、大洲市神南山の東麓辺りが原産地の一つです。