福音小学校構内遺跡

えひめけんまつやましふくおんじちょう
愛媛県松山市福音寺町

新設小学校の建設に先立ち、1989年度に発掘調査されました。
松山平野南東部、国道11号線と伊予鉄横河原線に挟まれた低丘陵地の最も高いエリア(標高30m)に立地します。調査の結果、弥生時代から中世にかけての古代人の痕跡(遺構・遺物)が多く見つかりました。 遺構は、竪穴式建物跡131棟や掘立柱建物跡114棟のほか、溝状遺構、井戸、土坑、柱穴、墓、道路遺構などです。
遺物は、弥生土器、土師器、須恵器、石製品、鉄製品などです。注目される遺構は、直線距離144mを測る弥生時代後期の大溝やカマドを備えた古墳時代中期の竪穴式建物跡、古代の道路遺構などがあります。
また遺物は、‘竜’が線刻された弥生時代後期の土器(壺)や鉄製の鋤先(弥生時代後期)、古墳時代後期の子持勾玉(蛇紋岩系製品)などがあります。

見つかった竪穴式建物跡のほとんどは、古墳時代に属するものです。また、近隣に点在する遺跡からも同時代の建物跡が多く見つかります。これらのことから古墳時代の福音寺には多くの人々が暮らしていたことがわかります。

福音小学校構内遺跡